ぶたびより

酒を飲み、飯を食べ、文を書き、正解を生きたい

2019-01-01から1年間の記事一覧

ペニシリンアレルギーの話

勉強したら追記していきます 結構ペニシリンアレルギーで困ることが多くて、ふわっとした病歴で、絶対にTENやSteven Johnson、DIHSのような重症なものでなく、「あたまがふわふわした」とか「嘔吐した」とかそういうアレルギーとしてはぱっとしない病歴で皮…

やさしさの理由

天気予報は雨。午後になってから窓のない部屋にこもっているから外の天気を感じられない。エアコンの音とたまに廊下を行き来する人の足音が届くだけの狭い当直室でずっと突然指導医から頼まれたケースレポートを休みの日に書いている。適度な時間になったら…

限界高齢者の話

もう死ぬんでいいよ と話す超高齢者に何度僕はCVC(クソ太い点滴)を挿入してきたのだろうとふと考えると暗い気持ちになってくる。話せないレベルの人でも暴れて抗おうとするが、必要な処置ですからねと押さえつけてしばりつけながらいれたりする。別に必要…

おねしょの神様

夜も更けた田舎の飲屋街、小汚いスナックの店々からくぐもって響く泥酔したおっさんの調子っぱずれの懐メロにどことなく寂しい気持ちにさせられる。月明かりに照らされた鄙びた街路をテクテクと歩くのは私、と、その遥か先に人語を解さぬビーストが奇声をあ…

ビアガーデン

いつものように飲み会の予定を忘れていた。当直明けの倦怠感が背中にのしかかってきて、殺風景な家の布団に寝転がってみたはいいけれど、なんだか心がザラついたような感じで、目を閉じても焦燥感があって寝付くことができない。ゴロゴロしながらツイッター…

りっぱにりっぱに

エアコンの配管からの音の波長が絶妙なので、夜当直室で寝ていると遠くで鳴っている救急車のサイレンの音のように感じられることが多々ある。救急車をタクシーがわりに使う人が問題って話は度々耳にするけれど、地域柄もあるのだろうが救急車に乗ってくる人…

しらないまちへ

ワンマン電車の信越線が長岡をすぎると少しずつ家より田圃が多くなり、さらに行くと山がちになってそのうち田圃すら少なくなっていく。6月初めの透き通った風を受けてひらひら揺れる小さな稲たちが涼しげで、うとうとしながら初めて乗る路線の車窓を流れる景…

そうだ京都に行ったんだった

当直が一段落ついた。早く寝たほうが良い。はてなブログをiPhoneから更新できることを知ってしまったので、短文を頻繁に更新していきたい。ツイッターとの境界が不明瞭になってしまう。 京都には何となく憧れがある。道にははんなりした黒髪清楚なおねえさん…

ポリクリと限界料理の話

どちらかというと料理をする方だと思う。凝ったものは作らないけれど、ニンニク、脂、肉、トマトかクリームまたは豆乳にコンソメ、あるいは野菜とウェイパーなどを火にかけたりして雑な料理をつくってビールをすすりながら食べながら映画みるのが好きだ。一…

Tinderの話

店の中に入ると建物自体は一般的な定食屋なのに、異国の耳慣れない音楽と昼からビールをのみつつポルトガル語と思われる言語を話すおじさんとおばさんと若者のグループが大皿にもられた食事をつついていた。 「せんせ、私のことブログのネタにするんすか、う…

レジナビの話

一週間ぶりに東京駅の新幹線のプラットフォームに降り立った。奥に見える丸の内のオフィスビルは高く澄んだ関東の暮れゆく冬空を背景に異様に清潔そうで、あこがれつつも田舎育ちの僕にはどこかよそよそしく何となくなじめない。一方、新幹線乗り場というの…

ゲロの中身と私がここにいる理由

自分の文章というのはあまり読み返したくなるものではなくて、むしろ書いた瞬間に破いて捨ててしまいたくなる。多くの場合において、書かれた文章や話された言葉たちは、メンタルのゲロみたいな存在であるから、犬のウンコを木でつつく小学生みたいな気分で…

セワシ君、イマ・ココ、ツララとインフルエンザなどに関して

診療所は峡谷に面しており、窓の外ごついツララの向こうに見える寒々しい対岸の岸壁はモノクロで水墨画みたいだ。鳥は一羽として鳴かず、ボボボとうなる古いガスストーブは信じがたい短時間で部屋を暖める。部屋の熱にツララが解けて、時折階下のやねにガラ…

娘を助けてママみを求むるノワール

「私が欲しいのは愛か死よ!」 ショートボブの小枝みたいな体をした大人びた容姿の破滅的な少女(マチルダ:ナタリー・ポートマン)が武者小路実篤の小説でも読んだのかそんなことを叫ぶシーンがある。映画『レオン』のワンシーンです。当時この映画の影響で…

111回医師国家試験の話

受験した直後に書いた文章です。国家試験が近く懐かしいので貼ってみます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 3日間行われる最後の医師国家試験である111回医師国家試験が2/11から2/13まで行われた。次回以降の国試を受ける人の…

冬の小さな雪深い村へ

都会からの潤沢なスキーマネーによりきれいに除雪された国道沿いを北東に走っていくと家が少しずつ疎らになっていく。途中で峠にぶつかり、そこで完全に関東平野から続いてきた町は途絶える。トンネルを二つくぐり、温泉街を抜けてさらにしばらく車を道なり…

それでも年は明ける

「36歳女性とカップル成立したのはいいけれど、そのあと2回デートして、結局一回りも違う女性を連れて歩いていると衆目を気にしてしまうし、趣味や職業など文字に起こせばいい女性なんだけれど、少しずつ距離を置いていこうと思うんだ」 5日連続飲み会の3/5…